Diabetes 糖尿病の診断と検査

症状がなくても糖尿病なの?

糖尿病と診断されるきっかけはひとそれぞれです。のどが渇いたり、疲れやすいなどの自覚症状から医療機関を受診して、糖尿病と診断される場合や、何の自覚症状もなくても検診や人間ドックで、糖尿病と診断される場合もあります。

糖尿病と診断されるには基準値となる数値があり、必ずしも症状があるとは限りません。

糖尿病の患者さんの多くは尿に糖が出ます。これを「尿糖」と呼びますが、糖尿病は「血糖値が高い状態が続く病気」であり「尿に糖が出る病気」ではありません。尿糖は糖尿病の発見につながる手がかりとなり、腎臓の機能が正常であれば、血糖値がある濃度(閾値)を超えると尿糖がでてきます。閾値となる血糖値は160~180mg/dlですが、高齢者では閾値が高くなるなど個人差もあり、逆に血糖値が高くても尿糖が出ないひともいます。

そのため糖尿病の診断には尿糖は用いられず、血糖値と慢性高血糖の指標であるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が用いられます。

血糖値とHBA1Cで確定診断を

糖尿病と食事

糖尿病とは慢性的な高血糖を特徴とする病気です。 確実に診断するには血液検査で血糖値がどのくらいか調べます。 血糖値は食事や運動などにより変動しますが、健康なひとでは朝食前の血糖値がもっとも低く71~109mg/dlの範囲となります。 食事をとると血糖値は上昇し、食後60~90分でもっとも高くなりますが、正常であれば食後2時間後の血糖値が140mg/dlを超えることはありません。

朝食前の血糖値が126mg/dl以上、あるいは食後の血糖値や、 ブドウ糖の負荷試験を行って2時間後の血糖値が200mg/dl以上であれば糖尿病が強く疑われ「糖尿病型」と判定されます。

「糖尿病型」の数値

糖尿病を疑う「糖尿病型」の数値には、血糖値だけでなくHbA1c(NGSP値)が6.5%以上かどうかも含まれています。HbA1cは血液中の酸素を運ぶ赤血球が、血液中の糖分と結合したものをパーセントで示し、その数値が高いほど血液中の糖の濃度が高いことを示します。そのときの状態のみをあらわす血糖値とは違い、おおよそ一ヶ月間の平均的な血糖値の状態を把握できます。血糖値とHbA1cを組み合わせることで糖尿病をより正確に診断することができます。

経口ブドウ糖負荷試験

空腹時や食後の血糖値だけでは糖尿病の診断がつかない場合に「経口ブドウ糖負荷試験」を行います。これは75gのブドウ糖を含むブドウ糖液を飲んで、負荷前から負荷後2時間の血糖値を測定します。「経口ブドウ糖負荷試験」の結果は「正常型」、「境界型」、「糖尿病型」に分類されます。